ときめいて子育てを

2011年度版
 

 
                                   
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 1月22日(日)曇り
 親子そのまつりにNPO法人ワーカーズクラブの中村央さんら3名の方が見学に来られた。
 2月12日に板橋区高島平の大東文化大学キャンパスで開かれる子育てフォーラムを主催する団体の方で、実はボクがその13番目「親の子育て参加の拠点作り」を討議する分科会のパネラーを頼まれていたので、その打合せを兼ねての訪問だった。
 見学の感想は一番に、対話したお母さん方が「その」を心から大事に思い、信頼していること、お父さんたちがとても真剣に子どもと一緒に遊んでいる姿に感動した、というものだった。「理事長のことを大人も子どもも能登さんとか、おじさんと呼んでいるんですね」と、珍しがっていた。
 外部の人でなくても、親子そのまつりに示された親の熱気に触れて感動しない人はいないだろう。中村さんと打合せしながら、そんな園で働ける幸せを噛みしめていた。

 「おじさん、ロケットはないの?」と何人かの卒園生に訊かれた。「ゴメンネ」と謝る。今年はぞう組の「切り紙」と、ちょうちょう組の「紙ひこうき」を手伝いに行った。
 年長組を対象に、切り紙を始めて年目になる。この部屋が一番の人気だったかもしれない。終日ごった返していた。ヘラクレスオオカブトなど、切って立体的に組み立てる難しい切り紙にも挑戦する子が多く、園児が立派に切り抜くのを見てたくさんの人が感嘆していた。
 小さい子にも切れる作品をクラスのお母さんたちがたくさん用意してくれたのもよかった。来年、再来年の年長組が切り紙好きに育ってくれたら嬉しい。
 紙ひこうきコーナーでは、最初に劇団風の子の公演のあと、教えてもらった「飛んで帰ってくる紙ひこうき」の作り方を紹介した。
 見本の紙ひこうきが軽やかに飛んで手許に帰ってくると、「ウォーッ」と歓声があがった。上手に帰りそうなのもあったが、まっすぐよく飛んで行ってしまうのもある。紙ひこうきは教えると、出来たのを持って飛ばしに行くので、切り紙のようにじっくり教えるのは難しいのを知った。
 仲間と一緒に、難しい切り紙に挑戦する子どもたち。「上達へのあこがれを共有しながら、ワザを磨く」ことこそ、教育の真髄と言ったのはいま人気の齋藤孝教授だったか。切り紙はまさにそれだ。いや、「その」の保育は「上達への憧れを共有しながら技を磨く」ことの連鎖で成り立っている。親子そのまつりのすべての種目がそうである。昔から途絶えることなく続いてきたあそび

には、教育活動としての真価が備わっているのかもしれない。
 親子そのまつり終了の放送があって、片づけが始まってから、子どもが迎えに来た。「紙ひこうきの部屋で呼んでるよ…超音速ジェット機の作り方がわからないんだって」。ちょうちょう組へ戻ってみると、分からないのは、呼びにきた子とその友だちだった。机の上はもう片付いていたが、習う子のためにお母さんがまた道具を出してくれた。二人はねばって超音速ジェット機を完成させた。

 新保育園の工事は順調に進んでいる。屋上に太陽光発電のパネルが取り付けられた。プールのタイル絵の素敵なデザインが決まり、菜園のレンガブロックもまもなく積まれる予定だ。ホールが広い。天井には人形劇用の舞台装置も見えてきた。その半世紀の成果として、この新しい施設を活用していかなければならない。


 1月8日(日)晴れ
 お天気続きの正月、少し寒いがこれが平年並みらしい。7日の新入園児の入園説明会も、多少の風はあったが、穏やかな日和でよかった。門を入って受付を済ますと、やぎのメリーに直行する子は、地域開放事業のうさぎの広場で遊んできた子どもだろうか。
 このごろの子は、概してしっかりしている。そのへ来たら、まず自由に、自分を出して遊んでほしい。昨日卒園生のお母さんから、6年生のクラスで先生の話は聞けない、立ち歩く、授業にもならない学級崩壊のまま中学に進みそうだ、と嘆きを聞いた。特別な例なのか、傾向としては時代を象徴するものなのか。
 話を聞いて、それは大きな3歳児だと思った。3歳で自分を開放し、自我を争って心の痛みを体験し、一方で共感する喜びを知って、友だちの中で自制する力を獲得しながら育てば、6年生になって椅子に座れない子にはならないだろう。

 きょうはお父さんと遊ぼう冬バージョン、お父さんやお母さんと凧揚げや土手すべりを楽しんだ。コマ大会は大人も子どもも真剣勝負で勝ちを争った。
 大事に保護されながら、一人の人格として尊ばれた子どもたちは、親の愛も期待も受け止めながら育っていくだろう。この正月も、賢い親たちに育てられている「その」の子の幸せを感じたのだった。


 1月3日(火)晴れ
 冷たい風の中、初台の東京オペラシティコンサートホールまで、ウィンナー・ワルツ・オーケストラの「宮殿祝賀コンサート」を聴きにいった。
 結論から言うと、こんな楽しい音楽会は初めてだ。演奏者は20人位のこじんまりした編成だが美しいワルツやポルカをいっぱい聴かせてくれただけでなく、ソプラノのアリアが素晴らしかったし、曲に合わせたダンスも楽しかった。
 歌劇「セリビアの理髪師」序曲から始まって約2時間、テレビで見るウィーンのニューイヤーコンサートと同じで、最後は「美しく青きドナウ」。そして、アンコールに応えて「ラデツキー行進曲」の

手拍子だ。客席全体がひとつになって盛り上がる。指揮者の合図で止め、また打ち、…みんなよく承知していて驚きだ。その行進曲の手拍子でテレビは終わるが、演奏会は指揮者も客席も盛り上がって終わらない。アンコールに入って30分も舞台は続いた。
 演奏者の中にプログラムには名のない竪琴奏者がいて、(日本人女性で松本さんと聞こえたが)、指揮者がその人とチェロ奏者の合奏を計画して、楽器の移動を自分で指示した。「曲目は?」と尋ねたのだろう。竪琴奏者は日本語で「白鳥」と言った。「ハクチョウ? OK!」と指揮者。
 サンサーンスの「白鳥」だろうか。竪琴の素晴らしさもさることながら、チェロの音色の美しさに心を奪われた。…いつか遊んだ盛岡の山里、小さな水車小屋の家でチェロを弾く宮沢賢治のゴーシュを想い浮かべた。
 この正月は文字通りの寝正月、まずは澱んだ疲れを捨てようと思っていたが、最後の日に素晴らしい音楽会にめぐり合わせてよかった。力をもらった。さて明日4日からBabyの仕事が始まる。


 明けましておめでとうございます。

 昨年はひとかたならずお世話になりました。いつも保育日誌をご愛読いただいてありがとうございます。
 保育園の建設が具体化してから仕事が増え、保育日誌の更新が間遠になり、済まなく思っております。
 趣味の乗馬もとうとう一年休んでしまいました。それでも子どもたちと自分なりに触れ合う切り紙や、これからの手紙ごっこは手抜きしないでやりたいので、多分、今年も保育日誌はあまりかけないでしょう。事情ご賢察ください。


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