きりえ 「雪の田んぼで」

 











 大雪が降った朝、連絡網で「雪遊びができるように、手袋と防寒服で」と伝言が回った。 園庭で遊ぶ子もいたが、10時の朝の集まりもそこそこに、どのクラスも園の周りの田んぼへ出る。雪合戦、雪だるま、かまくら作り。終日、雪と戯れた。
 処女雪の上に、大の字になって寝そべる。空は限りなく青かった。
 雪に埋もれるようにして、長靴の雪をとる二人は年中組の子だ。真っ白な雪に映えて女の子の赤いジャンバーが美しかった。和紙を染めたが、なかなかそのときの色が出ない。何度も染め直した。やみ雲に赤に染めたり、その上から茶色をかけたりしているうちに、これだ!という色に染まった。乾いていくらか色が薄くなると、いっそう気に入った。
 ジャンバーの色が決まると、そこからは弾みで一気に仕上げた。
 同じ雪の日、ある幼稚園では、職員が早朝から雪かきをして子どもの通路を確保した。子どもたちは園庭に出ることもなく、したがって靴や洋服を濡らすこともなく、いつもと同じように家に帰ったという。この体験の違いは大きい。


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