きりえ 「指人形をつくる」

 



 人形の土台に紙粘土を貼りつけて、かしらの形を作るまでには、たくさんの作業を済ませている。絵本選び、役決め、紙粘土づくり、土台づくり……どれもこれも子どもたちを主役に進めるから、手間ひまがかかる。
 紙粘土ひとつとっても、和紙を細かくちぎって水に浸し、何日か置いて、揉んで揉んでぼろぼろに絞る。フノリもちぎって煮溶かし、ぼろぼろの和紙と混ぜて、滑らかな粘土になるまで捏ねる。そうした過程を子どもたちが主体的にやるということは、我先にやりたくてワアワア騒いで、水をこぼしたり、はね飛ばしたり、けんかをしたりである。
 しかし、自分たちで考え、行動していくからこそ、クラスのみんなが人形劇に向かって、次第に気持ちがひとつになり、燃え上がるのだ。
 手作りだから、人形のかしらは幼く、つたない。けれども”天衣無縫”とはこのことを言うのではと思える、個性的な作品ばかりなのだ。仲間の中で、騒々しい創造をやり遂げるエネルギーに脱帽する。


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