きりえ 「ちゃろと女の子」

 




 この女の子はあんなちゃんだ。犬のちゃろが大好きで、登園すると真っ先ちゃろのところへ行く。ちゃろもあんなちゃんが好きだった。当然、この切り絵はあんなちゃんの家に買われていった。
 深野園長の記憶だと、そのに就職した14年前には「シロ」がいた。シロの歌を作った。4年目に「ちゃろ」に代わった。もう11歳にはなっているだろう。立場をよくわきまえた、おとなしい犬で、少々子どもが乱暴をしても「やだなあ」という顔はするが、怒りはしない。
 なぜか見知らぬ男性には吠える。断髪のボイッシュな人でも、女性なら絶対吠えない。どこで男女を見分けるのか、不思議だ。
 あんなちゃんだけでなく、ちゃろは「みんなのなかま」である。ちゃろを連れていけば、散歩も盛り上がる。みんなに可愛がられ、えさをいっぱいもらって、ちゃろはとうとう糖尿病になった。しばらく食事制限をしていたが、1月15日ついに入院した。主のいない犬小屋を子どもたちが心配げに覗き込んでいた。


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