きりえ 「トンネル山で」

 




 見学にきた3歳の子が「ママ、ゆうえんちいこう」と言って、トンネル山へお母さんの手を引っ張っていった。
 トンネルは迷路になっていて、それだけでも楽しく遊べる。トンネル山は、大きなヒューム管6本を並べるときだけ、建設業者のクレーン車を借りたが、後はすべてお父さんたちの日曜ボランティアで作った。
 コンクリートミキサーもなくて、ネリスコと呼ばれる小型のスコップ2丁で、来る日も来る日もコンクリートを捏ねたお父さんは、終いに腰を痛めた。国税庁のマルサのお父さんは、日曜日のたびに石垣を積んだ。滑り台もみんなで作った。子どもたちの喜ぶ姿を見るのが楽しみの、長い長い作業だった。
 いまトンネル山は毎日子どもたちであふれている。トンネルの上と下で、女の子と男の子は何をしゃべっているのだろう。トンネルの中には砂場の道具などが散乱している。ここは秘密基地でもあるし、子どもたちのサロンでもあるのだ。


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