きりえ 「叱られて」

その2

 




その1

 




 男の子は何をしたのだろう。叱られてはいるが、先生のやさしさ、ぬくもりは感じているだろう。でも、自分の気持ちにこだわって素直にはなれない。心配して覗き込む友だち。
 実際の風景は、ベランダの隅っこに壊れたオルガンがあって、そのそばで男の子は叱られていたが、オルガンの足踏みのところにはもう一人男の子が隠れていた。その二人の間に何があったのか、いまは知る由もない。二人はもうとっくに大人になった。先生は若い日の佐藤先生である。
 このきりえが好きで、何回か同じ物を作った。子どもと先生の関係がいい。いかにも「その」らしい風景である。ケンカをして打った子どもをすぐに怒ったりはしない。なぜ打ってしまったのか、気持ちを聞く。理由はあるものだ。その気持ちに共感した上で、相手の気持ちにも気づかせる。どうすればよかったのか、いっしょに考える。
 幼児期には一人ひとりの自我を大切にしながら、「待てよ」と自分を振り返る「第二の自我」を育みたい。それは心を開いて遊ぶ友だちの中で、ごちゃごちゃやりながら、先生の適切な助言によって育っていく。


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