きりえ 「冬の庭にて」

 




 この子の手のひらにある宝物はなんだろう。そして、うつむいている相手の心を惹きつけることはできるだろうか。女の子は年長組くらいになると、ちょっとした気持ちのズレが友だち関係に微妙な影を落とすことがある。
 だれもいない冬の陽だまり。「どうしたの?」と声をかける人もいない仲よしだけの空間。感情のすれ違いも、共感も、寂しかったり、辛かったりするかも知れないが、それは人の気持ちを知る、大切な学びの時間なのだ。
 「あぶない!」「だめ!」「やめなさい」「早く!」……24時間監視下にある子どもたち。おとなに管理されない時間が、今の子どもたちに必要なのではないか。悲しいときや辛いときに一人ぼっちで泣ける空間、時間、自由があってこそ、人の気持ちを知り、人と共感する情操が芽生え、育っていくのではないか。


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