きりえ 「あやとり」 U

 




 ハンガリーの日本博物館で個展を開いたとき、このきりえの前で何人かのお客さんが立ち止まって、何かを話し合っていた。多分、何をして遊んでいるのか疑問だったのだろう。
 でも、あやとりは日本独特の遊びというわけではない。19世紀末期に始められた調査によると、オーストラリア、太平洋諸島、東アジア、極北圏、南北アメリカ、アフリカなどの人々がたくさんの種類のあやとりを知っていたことが分かったという。
 百年以上前、ニュージーランドのマオリの人たちは神話を語りながら、その情景を表すあやとりを次々と作った。狩猟の成功や豊かな農耕収穫を祈願する儀式の中であやとりを演じる社会もあった。極北圏では冬の長い夜の楽しみの一つであったという。
 子どもの遊びとして定着したのは日本だけかもしれない。 


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