きりえ 「失敗した跳び箱」

 




 このきりえは、ずいぶん古い作品だ。稚拙で人目にさらすのは恥ずかしい。でも失敗した子と先生の心のふれあいを伝えたかった。
 あるとき、雑誌記者が「その」へ取材に来た。親子そのまつりの後で、子どもたちは夢中になって竹馬に挑戦していた。ある子が竹馬を手に、記者に言った。「見て! あの子、上手なんだよ。ボク、まだ乗れないけど…」
 その記者は二つのことに感動したという。 第一に、その子は自分が乗れないことに気後れを感じている風がなかった。明るかった。ここでは出来ても出来なくても、一人ひとりが暖かく受け入れられていると感じた。第二に、友だちを認め、自分のことのように喜べるって素晴らしい。
 確かに、新しい課題にはなかなか自信がもてない。「失敗してもいいんだよ」と安心感を持たせることが大事だ。暖かい穏やかな環境の中でこそ、力を伸ばし、知性を磨くことができるのではなかろうか。 


トップページ                                きりえ・第三部
もどる                                     もどる