きりえ 「いもほり」

 



 ある保育園でいもほりに行った。畑について、さあイモを採ろうとしたが、どこにもイモはなっていない。一面にツルがはびこり、葉っぱが茂っているだけだ。
 「なあんだ、何にもなっていないよ」と子どもたちはがっかりしている。「ほんとだ。なっていなけりゃ、とれないね」と先生は、子どもと一緒に園へ帰った。帰ってしばらくしたとき、一人の子どもが言った。「先生、もしかしてイモは地面の中じゃないの?」
 「えっ、地面の中?」。先生はびっくりしたふりをして言った。「それじゃ明日もう一回畑に行ってみよう」
 翌日畑を掘ってみると、あった! 確かに大きなイモがなっていた。「あれ、ツルとつながっているよ」「もう一つ、おイモがつながっている」。
 すごいなあ、と思う。せっかく畑に行ったのに、何もしないで帰ってくる。なかなかできないことだ。子どもたちにとって、このイモ掘りは素晴らしい発見と感動だっただろう。イモ掘りといえば、ツルを刈り取って株だけにしてあって、子どもは掘るだけという場合が多いのではないか。感動は大きなイモの収穫だけだ。イモ掘りは何のためにするのか…保育の原点を考えさせられる実践ではある。

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