きりえ 「ひょうたん鬼」

 




 小室先生の手につかまって精一杯腕を伸ばしている子は、今年高1になった。両親とも視覚障害者で、幼いときから親の手助けもする賢い子だった。障害児学校の教師をしているお父さんが、大きな虫眼鏡を目に当てて新聞を早い速度で読んでいるかたわらで、この子はお母さんに絵本を読んでもらいながら本大好きに育った。目の不自由なお母さんが読み聞かせをするのは、さぞかし苦労だったろう。
 一年生になってから「その」に遊びに来て、文庫から分厚い「海底2万哩」を借りて行ったのが、ついこの間のように思える。
 今年6月、川越市民会館に神山征二郎監督の映画「郡上一揆」を見に行った帰り、同じ映画を見にきていたお父さんに会った。多分一番前の席で見たのだろうと想像しながら、高校生になっためぐみちゃんの近況を聞いて、懐かしかった。


トップページ                              きりえ・第三部
もどる                                   もどる