きりえ  「ねえこふんじゃった」

 




 習いはじめの子は「ねこふんじゃった」を弾きたがる。
 黒鍵だけのパターンを覚えれば弾ける。両手が交差しても、邪魔にはならない。面白くて簡単だから意欲がわくのだろう。
 音楽に限らず幼児期の芸術教育は「楽しい」ということが、太く柔らかな横糸でなければならない。上手になる、上達するという縦糸だけに偏ると、ときに「オレ、できない」「アタシ、下手だから…」と、劣等感を植えつけることになりかねない。
 ある幼稚園で、運動会のとき鼓笛隊をやるのだが、うまく合わせられない子の笛の穴はセロテープでふさぐと聞いた。何のために鼓笛隊をやるのだろう。
 また別の早教育の保育園では「できない」などということは許さないスパルタ教育で、全員を上達させるという。
 親の評判を気にして、子どもの心を忘れてはいないか。友だちと大声で歌う。はねたり、踊ったり、ふざけたり。その中できれいに歌えたときの喜びを感じとらせたい。


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