きりえ    「新学期の三歳児」








 1910年正月、白内障の手術を前に、下絵を描き始めたが、半ばで1月19日の左目の手術、それから2月2日の右目と続き、3日の豆まきの直後、めまいで倒れて入院という騒ぎがあって、下絵はたなざらしのままだった。体調が回復して、ようやくやる気が起きた。幾日もかけて、パッとはしないが、ようやく出来上がった。手術後の眼が落ち着くまで、新しい人工レンズに合わせたメガネは待ったをかけられている。その人工レンズは近視型なので遠くのものはメガネなしではよく見えないのだが、人工レンズには遠視はない。予想外の収穫だが、近くはメガネなしでばっちり見えるようになったのだ。ありがたや、切り絵は大丈夫なのだ。
 かくて、白内障術後最初の作品を見ていただけることとなった。


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